劇団四季「ふたりのロッテ」の魅力 - 家族再生の願い -
スポンサードリンクドイツの作家、エーリッヒ・ケストナーの児童文学「ふたりのロッテ」を、
劇団四季がミュージカル化して初演したのは1971年でした。
以来、30年以上にわたり、根強い人気を誇る作品です。
「ふたりのロッテ」の舞台はザルツブルク。
夏休みを「こどもの家」で過ごすため、ウィーンからやってきたルイーゼは、
自分とうり二つの少女ロッテに出会います。
二人は、両親の離婚で別々に育った双子姉妹だったのです。

夏の終わり、ふたりは両親を仲直りさせようと決心し、
入れ替わって、それぞれの家へ帰り、作戦を実行するのです。
子供向けのミュージカルながら、離婚や家族など、重いテーマを
含んでいます。
にもかかわらず、大人も子供も観たあとはさわやかな気持ちになれる
ところは、劇団四季の演出のうまさでしょう。
舞台の装置はどちらかというとシンプルです。
冒頭のバレエシーンをはじめ、姉妹の息の合ったハーモニー、
「こどもの家」の少女たちのアンサンブルの美しさが魅力となっています。
父に婚約者がいることを知ったロッテの動揺を、仮面に赤いベール姿の女たちの
ダンスで幻想的に描き出すシーンは、あやしげで印象深いものになっています。
また、偽物のロッテであることを悟られないよう奮闘するルイーゼのドタバタぶり、
料理のシーンや、いじめっ子をやっつけるシーンなどは観客から大きな笑いがこぼれます。
大人と子供が同じように声をあげて笑えるミュージカルって、
実は少ないのではないでしょうか。
子供向けだからといって、手抜きな子供だましな部分が一切ないからこそ、
30年も人気が続き、大人も子供も120%楽しむことができるのでしょう。
原作が発表されて半世紀が過ぎ、離婚や再婚は珍しくない現代ですが。
だからこそ、両親のいさかいに傷ついた子どもたちが
家族の再生を願う物語は、切実さを増しています。
舞台は、家族の絆とは何かを考え、悲しみや痛みに敏感だった子どもの心を
思い出させてくれます。
ルイーゼが、母親に家族と暮らしたいという自分たちの心情を語るシーンでは
すすり泣きがあちこちから漏れていました。
おすすめは、小学校2~6年生くらいのお子さんのいる家族。
幕間の休憩を入れて約2時間のステージです。
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